薬剤科

概要

薬剤師21人、助手2人体制で、院内調剤、病棟薬剤業務、薬剤管理指導業務、注射剤の個人セット払い出し、化学療法剤無菌調製、TPN無菌調製、院内製剤調製、医薬品管理等の業務を行なっています。また、緩和ケアチームや糖尿病教室、ICT、AST、NST、各委員会を通しての活動にも積極的に参加しています。

院外処方に関しては、患者さんの希望に沿って発行しておりましたが、平成21年8月より全面院外処方となりました。

病院機能を充実させ医療の安全向上を図るため、薬剤科はチーム医療の一員として病棟での活動を進めています。

スタッフ

資格取得者(令和6年4月現在)
がん指導薬剤師(日本医療薬学会) 1名
がん専門薬剤師(日本医療薬学会) 2名
がん薬物療法認定薬剤師(日本病院薬剤師会) 2名
病院薬学認定薬剤師(日本病院薬剤師会) 5名
抗菌化学療法認定薬剤師(日本化学療法学会) 1名
腎臓病薬物療法認定薬剤師(日本腎臓病薬物療法学会) 1名
周術期管理チーム薬剤師(日本麻酔科学会) 1名
小児アレルギーエデュケーター(日本小児臨床アレルギー学会) 1名
認定実務実習指導薬剤師(薬剤師研修センター) 4名
研修認定薬剤師(薬剤師研修センター) 1名
循環器病予防療養指導士(日本高血圧学会・日本循環器病予防学会・日本動脈硬化学会・日本心臓病学会) 2名
骨粗鬆症マネージャー(日本骨粗鬆症学会) 1名
アレルギー疾患療養指導士(日本アレルギー疾患療養指導士認定機構) 1名

認定施設

日本医療薬学会
  • がん専門薬剤師研修施設(基幹施設)
  • 地域薬学ケア専門薬剤師研修施設(基幹施設)
  • 薬物療法専門薬剤師研修施設(基幹施設)
日本臨床腫瘍薬学会
  • がん診療病院連携研修病院

がん化学療法 連携研修会開催

年度 回数 日程 テーマ 講師
2020年度 第1回(集合) 2020/10/20(火) 連携充実加算
トレーシングレポートについて
がん化学療法総論
当院薬剤師
第2回(Web) 2021/02/09(火) 悪心・嘔吐、骨髄抑制 当院薬剤師
2021年度 第3回(Web) 2021/04/20(火) 皮膚障害、口内炎・下痢 当院薬剤師
第4回(Web) 2021/06/08(火) 大腸癌治療について 当院医師
第5回(Web) 2021/10/12(火) 免疫チェックポイント阻害薬について 当院薬剤師
第6回(Web) 2021/12/14(火) irAEについて① 当院薬剤師
第7回(Web) 2022/02/08(火) irAEについて② 当院薬剤師
2022年度 第8回(Web) 2022/04/19(火) S-1/カペシタビン 当院薬剤師
第9回(Web) 2022/06/14(火)

アベマシクリブ

パルボシクリブ

当院薬剤師
第10回(Web) 2022/12/13(火) 胃がんの化学療法 当院医師
2023年度 特別開催(Web) 2023/06/13(火) アピアランスケア がん治療のための食事

当院看護師

当院管理栄養士

第11回(Web) 2023/10/10(火) がん薬物療法の薬薬連携 外部保険薬局薬剤師
第12回(集合) 2024/3/22(金) 保険薬局からの疑問・質問と当院における対応について 当院薬剤師

【主催】KKR札幌医療センター 薬剤科

【後援】KKR札幌医療センター がん診療推進委員会

業務内容

院外処方箋に関する疑義照会の窓口を担当しています。

調剤は、主に入院患者さんの処方になります。外来では、検査薬のみの場合、院内製剤、治験に参加される患者さんの処方等で院内調剤する場合があります。入院では、自動錠剤分包機による一包化も行なっております。その他、簡易懸濁や錠剤粉砕等の情報提供も行っています。夜間の救急外来に対応するため24時間、薬剤師が常駐しています。

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定期注射剤の個人セット払い出しをしています。アンプルピッカーにより業務の効率化を図り、専用のカートで病棟へ搬送しています。

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院内製剤では、滅菌外用剤や点眼剤、消毒剤等の調製をしています。手術等で使用する特殊な製剤にも可能な限り対応しています。

病棟業務では、ICUを含む全ての病棟に薬剤師を1~2名ずつ派遣し、病棟薬剤業務、薬剤管理指導業務を中心に活動しています。入院時に持参薬について鑑別、重複投与等を確認するとともに、内服状況や薬による副作用状況を確認し、また、服薬指導および薬剤管理指導を通じて薬物治療が有効かつ安全に行われるように医師ならびに看護師等の他の医療スタッフと連携して薬の適正な使用の推進に貢献しています。

化学療法剤無菌調製は、無菌室の安全キャビネット内で調製しています。調製時には必ず2人の薬剤師が入室し安全対策には万全を尽くしています。閉鎖式調製器具も使用し、曝露対策も積極的に行っています。TPNはクリーンベンチで無菌的に調製しています。

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薬品管理業務は、当院のSPDと協力し無駄のない効率的管理に努めています。病棟における薬剤も含め、保管状況や有効期限の管理をしています。薬剤科での採用薬品は約1550品目となっています。

外来化学療法室では、がん専門薬剤師1名が担当し、治療を受けられる患者さんへの治療スケジュールや副作用の説明、化学療法に関連した処方薬の説明を行っています。また、医師や看護師と協力して治療中の患者さんの副作用の確認のための面談も行っています。

※外来で経口抗がん剤治療を行っている患者さんに対しては、薬剤師外来にて服薬指導や副作用の確認、副作用に対する薬物療法の提案等も行っています

チーム医療へも積極的に参画しています。

緩和ケアチーム、栄養サポートチーム、感染対策チーム、抗菌薬適正使用支援チーム、褥瘡対策チーム等に薬剤師も参画し、チーム医療の一員として薬物療法にかかわっています。

将来の薬剤師育成のため、薬学部学生の実務実習の受け入れも行っています。また、地域医療への貢献を目指し、薬剤師研修生の受入れも行なっています(日本医療薬学会、日本臨床腫瘍薬学会)。

実績

指導件数
2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
薬剤管理指導 合計 4,113 7,231 7,833 7,380

11,520

薬剤管理指導1 3,221 4,218 4,018 3,817 5,003
薬剤管理指導2 892 3,013 3,815 3,563 6,517
病棟薬剤業務実施加算1 7,554 17,013 19,577 24,498
麻薬管理指導 300 268 214 223

255

退院時薬剤情報管理指導 60 791 1,298 1,206 2,106
外来がん患者指導管理(がん患者指導料「ハ」) 200 985 724 173

222

連携充実加算 1,700 1,920 2,068 2,040
無菌製剤件数
2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
抗悪性腫瘍薬 3,874 4,193 4,079 4,721

4,428

中心静脈注射薬 1,301 2,363 2,114 2,054 2,059
研修 受け入れ
2021年度 2022年度 2023年度
日本医療薬学会 地域薬学ケア専門薬剤師研修 2名 1名 1名
日本臨床腫瘍薬学会 がん診療病院連携研修 2名 2名 2名

疑義照会の方法について

院外処方箋の疑義照会は薬剤科で受け付けをしております。

疑義照会をされる際には、院外処方箋の写しに疑義内容及び保険薬局の情報(薬局名、担当者名、電話番号、FAX番号)を記載してFAXにてお送りください。

  • 疑義照会連絡先 FAX:011-832-3257

疑義照会プロトコールについて

薬物治療管理の一環として、調剤上の典型的な変更に伴う疑義照会を減らし、患者さんへの薬学的ケアの充実および処方医や保険薬局の負担軽減を図る目的で「院外処方箋における疑義照会事前同意プロトコール」を運用しています。

本プロトコールの運用にあたっては、合意書を交わすことを必須条件としております。

新たに本プロトコールの合意を希望される保険薬局は、下記の問い合わせ先にご連絡ください。

  • 院外処方箋における疑義照会事前同意プロトコール問い合わせ先 TEL:011-832-3057

服薬情報提供書(トレーシングレポート)について

保険薬局にて即時性は低いものの「処方医師への提供が望ましい」と判断された情報の連絡に、この服薬情報提供書(トレーシングレポート)をご活用いただけましたら幸いです。

情報提供の際には、以下の服薬情報提供書(トレーシングレポート)様式をダウンロードし、事項をご記入いただいた後、FAXにて薬剤科まで送信ください

【注意】

トレーシングレポートによる情報提供は疑義照会ではありません。調剤時に発生した疑義照会は通常の様式を用いてお願い致します。緊急に解決すべき問題(薬剤の中止を含む)を確認した際は、各科へ電話連絡(受診勧奨)するよう、ご指導ください。

  • 送付先 FAX:011-832-3257

残薬調整について

継続処方されている処方薬に残薬がある時、患者希望で、次回予約日を考慮して投与日数を減らす場合のみ可とします。

※受診できない場合や災害等の対策として、予備の必要性を患者と十分話し合ったうえで、余裕をもって残薬調整に係る処方日数及び数量の変更を行ってください。

※増やす場合は不可、「医療用麻薬、抗悪性腫瘍剤」は共に不可です。

※残薬調整を行った場合は、必ず「トレーシングレポート」を用いて薬剤名・処方日数を明確に記載していただき(Rpでの記載は不可)、残薬が生じた理由に関する情報提供をお願いします(理由が不明確なものは残薬調整不可)。

※「残薬を回避するための対応」の記載は必須とさせていただきます。(未記載のものは受付できません)。

※著しくアドヒアランスが不良な場合など事後連絡では治療上問題がある場合は、残薬が生じている理由を添えて疑義照会してください。

下記、服薬情報提供書(トレーシングレポート)様式をダウンロードして頂き、必要事項をご記入いただいた後、FAXにて薬剤科まで送信ください。他の様式は受付できませんのでよろしくお願いいたします。

  • 送付先 FAX:011-832-3257

免疫チェックポイント阻害薬(ICI)シール運用について

ICIによる免疫関連有害事象に関する情報提供の強化を目的に、ICIシールの運用を開始しました。当院の薬剤師がICI治療開始時、もしくは治療中の患者さんのお薬手帳にICIシールを貼付します。お薬手帳交換時などで情報の継続が必要と思われる場合は保険薬局においても出力し、貼付をお願いします。概ね、治療終了後1年間を想定しておりますが、患者さんの希望がありましたら、継続は可能と考えています。

※印刷シートの例

エーワン パソコン&ワープロラベル RICOHリポートシリーズタイプ 14面 20シート 品番:28181参照

連携充実加算について

連携充実加算とは

外来での抗がん剤治療の質の向上させる観点から、患者さんにレジメン(治療内容)を提供し、患者さんの状態を踏まえた必要な指導を行うとともに、地域の薬局に勤務する薬剤師等を対象とした研修会の実施等の連携体制を整備している場合に算定するものです。当院でも2020年4月より算定を開始しています。

当院で登録・使用しているレジメンは、腫瘍センター(腫瘍内科)のページでご覧いただけます。