放射線技術科

概要

診療放射線技師25人、助手2人体制で、X線撮影検査やマンモグラフィ検査、CT検査、MRI検査、核医学検査、放射線治療などの業務を行なっています。また、入院病棟や手術室に回診用X線撮影装置を移動させてのX線撮影や、医師と共同でのX線透視検査や血管造影検査も行っています。

機器の品質管理も重要な業務であり、始業前点検、終業後点検を欠かさずに行い、医療安全の担保と質の向上に日々努めています。

スタッフ

資格取得者(令和64月現在)※重複含む

第一種放射線取扱主任者(原子力安全技術センター) 3名
検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師(日本乳がん精度管理機構) 4名
X線CT認定技師(日本X線CT技師認定機構) 6名
画像等手術支援認定診療放射線技師(日本診療放射線技師会) 3名
磁気共鳴専門技術者(日本磁気共鳴専門技術者認定機構) 2名
救急撮影認定技師(日本救急撮影技師認定機構) 1名
放射線機器管理士(日本診療放射線技師会) 1名
放射線管理士(日本診療放射線技師会) 1名
医学物理士(医学物理士認定機構) 1名
放射線治療専門放射線技師(日本放射線治療専門放射線技師認定機構) 5名
放射線治療品質管理士(放射線治療品質管理機構) 4名

業務内容(検査、治療)

X線撮影検査

X線撮影検査はX線を人体に向かって照射し、透過したX線を検出することによって体内の様子を調べる検査です。胸部や腹部、または全身の骨など様々な部位の撮影をすることがあります。当院では、X線を検出するための装置としてFPD(FlatPanelDetector)というものを用いており、従来の装置と比較して被ばく線量が少なくなっています。

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富士フイルム社製 X線撮影装置

マンモグラフィ検査

マンモグラフィ検査とは乳房のX線撮影検査のことです。装置に付いている2枚の板で乳房を圧迫し、乳房をできるだけ薄くのばして撮影します。当院の装置ではトモシンセシスと呼ばれる3次元のマンモグラフィを撮影することができます。トモシンセシスによって、乳腺の重なりによる乳がんの見逃しを減らすことができると期待されています。当院ではマンモグラフィ検査を女性技師が交替で担当しています。

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Hologic社製 マンモグラフィ装置

骨密度検査

骨密度検査は骨の中のカルシウムなどの量を測定することで、骨密度を調べる検査です。当院では腰椎や大腿骨に微量のX線を透過させて骨密度を測定するDEXA法を使用しています。検査にかかる時間は5~10分ほどです。骨密度は骨粗しょう症の診断や骨折の危険性を評価するための大切な情報です。同年代や若年成人の平均値とも比較した結果も見ることができます。

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Hologic社製 骨密度測定装置

X線透視検査

X線透視検査は人体を透過したX線によって体内の様子をリアルタイムの映像で観察する検査です。体内の様子を見やすくするためにバリウムなどの造影剤を使用することがあります。胃のバリウム検査をはじめとする消化管造影検査や鼻や口、肛門などから管を挿入し体内の様子を調べる内視鏡検査などを行っています。X線透視検査は医師や看護師、診療放射線技師が協力して検査を行います。

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富士フイルム社製 X線透視診断装置

血管造影検査

血管造影検査は血管の状態や血液の流れを調べるための検査です。血管内にカテーテルという管を挿入し、目的の血管まで通したところで少量の造影剤を注入します。同時にX線を連続的に照射することにより、造影剤の流れや形をリアルタイムの映像としてみることができます。血管造影検査は医師や看護師、診療放射線技師が協力して検査を行います。

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Philips社製 血管撮影装置

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血管撮影装置 心臓専用

ハイブリッド手術室

ハイブリッド手術室とは、手術室と同等の清潔環境と血管造影装置を組み合わせたものであり、当院では主に胸部・腹部大動脈瘤や大動脈解離に対するステントグラフト内挿術(TEVAR/EVAR)に使用しています。日本初導入の「Digital Pen」などステントグラフト内挿術用の特別なワークステーションを使用することで、従来よりも被ばく線量や造影剤の使用量を抑えた工夫を行っています。 testimg.gif

GE社製 ハイブリッド手術室

CT検査

CT(Computed Tomography:コンピューター断層撮影)検査はX線を人体に向けて回転させながら照射し、得られた情報をコンピューターで処理することによって輪切りの画像を撮影する検査です。体内の様々な部分を撮影することができます。

病変をより見やすくするために、造影剤という薬を血管に注射して検査する場合があります。

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Canon社製 320列 CT装置

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Canon社製 80列 CT装置

MRI検査

MRI(Magnetic Resonance Imging:磁気共鳴画像)検査とは、装置が持つ強い磁場と電波を利用して、体内の状態を断面像として撮影する検査です。X線を利用しないため、放射線被ばくはありません。検査時間は約20~40分で、検査中は装置から工事現場のような大きな音がなります。MRI検査で撮影された画像は、CT検査の画像を少し似ていますが、よく見える部位や疾患などが異なります。

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Philips社製 1.5T MRI装置

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Canon社製 1.5T MRI装置

核医学検査

核医学検査は微量の放射線を出す薬を体内に投与して、体内から出てきた放射線を専用の装置で撮影する検査です。投与する薬の種類によって体のどの部分に集まりやすいか決まっています。核医学検査では薬の分布や集まった量の情報から、臓器や組織の形態だけでなく、機能や代謝などの状態を評価することができます。

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Siemens社製 核医学検査装置

放射線治療

放射線治療は放射線を患部に照射する治療法です。手術や化学療法とともにがんに対する主要な治療法の1つになっています。当院では一般的な治療に加え、画像誘導放射線治療(IGRT)や強度変調放射線治療(IMRT)、脳転移に対する定位放射線治療(SRT)などの高精度放射線治療を行っています。

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Varian社製 放射線治療装置

実績

平成31年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度 令和5年度
一般撮影・ポータブル撮影 57,505 54,266 58,890 57,507 59,648
マンモグラフィ 2,313 2,112 2,130 2,237 2,209
骨塩定量検査 1,876 1,586 1,683 1,597 1,918
X線TV検査 1,943 1,662 1,565 1,861 1,766
血管造影検査 1,260 1,052 1,013 1,054 1,091
CT 16,437 18,928 19,769 17,496 18,261
MRI 4,313 4,470 5,051 4,930 5,150
核医学検査 627 611 594 590 459
放射線治療 7,280 6,294 6,036 5,941 5,531

※健康管理センターにおける放射線検査の件数を含む