がんゲノム医療

がんゲノム医療について

「がんゲノム医療」とは、「がん」の遺伝子を詳しく調べ、一人一人の遺伝子の変化に応じた治療などを行う医療です。KKR札幌医療センターは、北海道大学病院(がんゲノム医療中核拠点病院)と協力しながら、必要とする患者さんへがんゲノム医療をお届けできる「がんゲノム医療連携病院」に指定されています。

2022年11月より保険適用でのがん遺伝子パネル検査を開始し、地域におけるがん診療の充実を目指しています。

当院以外へ受診されている方で検査をご希望の方は通院中の主治医へご相談ください。地域連携室経由で受診、検査が可能か確認させていただきます。

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「腫瘍内科専門外来」への紹介方法及び事前チェックリスト

エキスパートパネル用診療情報

(1)外来紹介時臨床情報

(2)外来紹介前の薬物療法情報

がん遺伝子パネル検査

がん遺伝子パネル検査は、次世代シークエンサー(NGS)という装置を用いて、組織や血液のがん細胞の遺伝子変異を調べます。がんの原因となる遺伝子変異が見つかった場合には、その遺伝子変異に対応する薬剤を選択できる場合があります。

保険適用となる患者さんについて

がんゲノム医療(保険診療)を受けていただくためには、いくつかの条件があります。
全身状態が良く、その「がん」に対する標準的な治療がない、また、局所進行や転移が認められ標準的な治療が終了している(もしくは終了が見込まれる)場合で、主治医が条件を満たすと判断した患者さんが対象となります。

標準的な治療とは・・科学的根拠に基づいた観点で現在利用できる最良の治療であり、患者さんに行われることが推奨される治療をいいます

検査の流れ

①医療機関へ相談

  • 遺伝子パネル検査をご希望の方は通院中の主治医にご相談ください
  • 主治医とがんパネル検査について相談し、次回外来受診日に詳しく説明させていただきます(他院通院中の方は地域連携室経由で当院診察予約をして頂きます)

②外来受診日1回目

  • 主治医の診察があります

  • がん遺伝子パネル検査に同意される場合は、同意書に署名をして頂きます

  • 主治医の説明後、看護師、事務員より今後のスケジュールや費用について説明し、検査にあたって必要な情報をお伺いします(ご家族/ご親族の既往歴など)

③外来受診日2回目

  • がん遺伝子パネル検査に必要な採血を行った日(もしくは検体発送日)に遺伝子パネル検査費用がかかります

  • 検体を発送し、がん遺伝子パネル検査が行われます(検査の結果は約2週間かかります)

  • 必要な書類、データを準備し北海道大学病院へ連絡します

④治療方針の検討

  • 検査結果が判明次第、KKR札幌医療センターと北海道大学病院で連携し、有効と思われる薬剤の情報を検討します

  • 治療方法の検討として12週間かかる場合もあります

⑤外来受診日3回目

  • 主治医から検査の結果と今後の治療方針について説明します

  • 結果説明日にはご家族の同席をお願いいたします

  • 検査結果説明時に費用がかかります

  • 遺伝性腫瘍が判明した場合には、患者さん、ご家族の意向をふまえ、遺伝カウンセリング日程を調整します

※がん遺伝子パネル検査の結果説明については全て外来にて行います

費用について

今回、保険適用になったがん「遺伝子パネル検査」の医療費は、56万円と定められています。患者負担割合が1割の場合は56千円、2割の場合は112千円、3割の場合は168千円になります。また、これは検査のみの費用ですので、そのほか必要に応じて新たにがんの組織をとるための費用や、病理診断の費用などがかかる場合があります。詳しくは、がん相談支援センターへお問い合わせください。

がん遺伝子パネル検査を受けるうえでご理解いただきたいこと

がん遺伝子パネル検査においては、遺伝子変異に対応した抗がん剤が必ず見つかるとは限りません。また、候補となる抗がん剤が判明したとしてもそれが保険適用外であるという場合も少なくありません。それらの理由で、遺伝子変異にもとづいた治療に至る患者の割合は、一般的に1015%程度と言われています。

なお候補となった抗がん剤が保険適応外であっても、臨床試験や治験、先進医療、患者申出療養などの制度を利用して使用できる場合があります。

がんゲノム医療について詳しく知りたい方はこちらをクリック(がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査)