かかりつけ医のお勧め

厚生労働省によって医療機関の機能分担が明確化され、これからの医療のあり方として、患者さんには自宅付近の診療所・クリニックの先生を「かかりつけ医」とし、病気になった場合はまずその先生に診て頂き、そこで重症あるいは精密検査が必要と判断された場合は、それに対応できる病院に紹介するという、いわゆる「病院相互または病院と医院の診療分担連携」の施策が進められています。

患者さんにとっては、かかりつけの医を持つことにより家族全体の健康管理もお任せできるうえ、症状が重い場合は「かかりつけ医」の先生に「紹介状」を書いて頂くことで専門の病院で優先的に診療を受けられ、また初診料が安くなる利便があります(初診時の保険外選定療養費7,700円が不要になります)。多くの患者さんが大病院での受診を希望されることから起こっている「3時間待ちの3分診療」といった弊害も解消されることとなります。

私どもの病院では、医薬分業という厚生労働省の施策にのっとり院外処方箋の発行を行ない、また、地域連携室を発足させ地域の医療機関に「連携医」になって頂いておりますので、この連携医の先生方を「かかりつけ医」としてご紹介出来ます。

患者さんにおかれましては、最初は多少の不便・不安はあろうかと思いますが、いずれは「かかりつけ医」を持つことの重要性をご理解いただけるものと確信します。どうか早いうちに、お近くの診療所・クリニックの先生を「かかりつけ医」として選ばれることをお薦めいたします。当院の医師に「かかりつけ医」にかかりたい旨をお話し頂ければ「紹介状」をお書きします。その後に病状が悪化したり病気に変化が生じた場合は、かかりつけ医の紹介状をご持参下さると当院で優先して診療をおこない、必要によっては入院の対応も致します。また、病気が回復した時点ではかかりつけ医の先生に詳しいお返事を差し上げるなどの手続きもおこないます。

どの先生に「かかりつけ医」になってもらうか分からない患者さんは、当院の受持医師あるいは地域連携室にお気軽に相談して下さい。どうか、待ち時間解消のためにも何卒ご理解とご協力をお願い申し上げます。

KKR札幌医療センター 病院長