病院指標

令和3年度 KKR札幌医療センター 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,886 233 263 415 551 766 1,342 2,445 1,569 372
 令和3年度(令和3年4月1日~令和4年3月31日)に退院された患者さんの入院時の年齢を10歳刻みで表したものです。
 当院の小児科は小児アレルギー専門施設で小児二次救急に対応していることもあり、10歳未満の患者さんが多いのが特徴です。また、60歳代以降の患者さんも多い傾向にあり、幅広い年齢層の患者さんにご利用いただいています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1あり 291 2.00 2.03 0.00% 56.56
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 148 3.51 3.30 0.68% 71.41
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2なし 86 21.40 18.42 6.98% 73.38
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 63 16.98 13.12 6.35% 75.94
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 51 21.69 20.57 47.06% 87.17
本表における睡眠時無呼吸症候群の入院は1泊2日の検査入院です。出来るだけ仕事に影響なく終夜睡眠検査が受けられるように、夕方18時に入院し翌朝7時に退院するシステムになっています。検査結果説明と治療は外来で行います。
 肺癌(肺の悪性腫瘍)は当科の入院患者の中心を占める疾患です。KKR札幌医療センターは北海道の「地域がん診療連携拠点病院」であることから我々は、当院の肺癌診療のみならず北海道全体の肺癌診療レベルの向上に貢献すべく日々努力しております。我々の肺癌診療の基本理念は「科学的根拠(実証による裏付け)に基づいた議論による方針決定」であり、実際には先進的呼吸器内視鏡検査(超音波内視鏡、胸腔鏡など)などを用いた診断、手術・抗癌剤(分子標的薬など最先端のものを含む)・放射線治療を中心とした治療を行っております。また苦痛を取り除く治療(緩和医療)においても、豊富な経験と実績のある専門医が早期から対応してくれます。近隣の医療機関から沢山のご紹介を頂き、肺癌患者さんの数は多くなっています。
 この中で、DPCコード 040040xx99200xは気管支内視鏡による診断確定のための検査入院を表します。
 肺癌治療の重要な部分を占める抗癌剤治療は、当科では最先端の知識と経験をもとに最先端の薬剤で行っています。医学の急速な進歩によって抗癌剤治療は現在多岐にわたる薬剤の中から、患者さん毎に最適の組み合わせで治療を選択することが出来る個別化治療が進んでいます。そして使用する薬剤毎にDPCコードが異なります。今年度は上位5傑に入っておりませんが、すべてのコードを合計すると肺癌の抗癌剤治療患者数は、睡眠時無呼吸症候群に次ぐ第2位です。
 誤嚥性肺炎は高齢化社会の進展に伴い近年全国的に急速に増加している病気です。DPCコード 040081xx99x0 xxにあたります。重症の場合は当院のような基幹病院に診療依頼が来ることがあります。また救急車を積極的に受け入れていますので、誤嚥性肺炎の患者さんが運び込まれることは増えています。ただし、この病気の多くは予防が重要で、抜本的な生活改善を必要とする場合が多く、それが可能な専門の病院と連携して診療しています。転院率が大きいのはそのためです。
 間質性肺炎とは、自己免疫病の一種で、予後や治療方針の異なる多彩な病型があり、専門家による詳細な診断によって治療方針が決定されなくてはならない病気です。呼吸器科医師・画像診断医師・病理診断医師がカンファレンスを行って正確な診断を行うことが理想とされています。当院では既にこのカンファレンスを取り入れて、豊富な経験を元に診療を行っています。原因不明の肺のレントゲン異常として近隣の医療機関からご紹介いただき、当科で診断がついて専門的治療を当科で引き続き行う場合が増えています。DPCコード040110xxxxx0xxがこれにあたります。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 188 3.23 3.06 0.00% 70.09
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 111 4.91 4.36 0.00% 71.43
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 103 20.79 17.35 15.53% 84.32
050050xx9920x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等12あり 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 101 3.81 3.27 0.00% 71.85
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 46 5.63 5.32 0.00% 76.84
1、2段目と4段目は狭心症に対する診療データです。狭心症は心臓自体に血液を送る血管(冠動脈)の狭窄により、労作時に胸痛や息切れを起こす病気です。
1段目:昨年度の検査件数は全体では621件で、そのうち純粋な検査入院の患者さんの数と入院期間です。通常2泊3日で検査を行っております。
2段目:昨年度の冠動脈カテーテル治療件数は全体で189件でしたが、純粋な治療入院の患者さんの数です。通常3泊4日で治療を行っております。検査目的で入院されたものの入院を継続して治療までご希望される患者さんの割合も多いため、平均在院日数は少し長くなっています。
4段目:狭心症の検査入院ですが、冠動脈造影の際に疑わしい狭窄病変が認められ、それが治療を行うべき病変かどうかを判定するために血管内の血流・圧測定まで行った患者さんの数です。
3段目:心不全に対する入院診療のデータです。薬物治療の他に心臓リハビリも大変重要ですが、ご高齢者も多いために身体機能の回復に時間を要して在院日数も長くなっています。少し長期のリハビリを目指して転院される患者さんもいらっしゃいます。
5段目:昨年度の閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療は57件で、表は純粋な治療入院の患者さんの数です。通常3泊4日ですが、両下肢の治療の場合には入院期間も少し長くなります。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 321 2.06 2.65 0.00% 65.76
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 78 10.04 9.21 2.56% 76.69
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 70 8.07 7.96 0.00% 75.57
060035xx04xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 56 5.91 3.81 0.00% 69.27
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2なし 36 11.19 10.48 0.00% 73.67
消化器内科は地域基関病院、急性期病院として、消化器専門医、消化器内視鏡専門医、肝臓専門医、腫瘍内科専門医の常勤医と後期研修医で消化器疾患全般の診療にあたっています。
昨年当科でDPC入院を行った件数は上記に示すとおりで、当科では大腸ポリープに対する内視鏡治療(ポリペクトミー)、消化管悪性腫瘍の内視鏡的手術、胆管結石に対する内視鏡治療が多く行われ、患者さんに負担の少ない内視鏡的治療は当科の主力になっています。
また癌治療の専門医が積極的に最新の抗がん剤治療を行っております。
代謝・内分泌・糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等21あり 70 14.29 14.41 2.86% 65.59
100380xxxxxxxx 体液量減少症 11 13.18 10.66 36.36% 77.51
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし 10 8.40 10.28 0.00% 79.13
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 10 14.00 13.25 0.00% 34.95
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2なし - - 11.15 - -
代謝・内分泌・糖尿病内科は現在5人の医師が診療に携わっています。
表が示す通りで、代謝・内分泌・糖尿病内科に入院される患者さんの多くを占めているのが糖尿病の患者さんです。
初めて糖尿病を指摘され糖尿病の治療を開始するにあたり、入院して糖尿病の基本的な知識を身につけるために糖尿病教室や栄養指導を受けていただき、食事療法や運動療法を学び今後の療養に役立て行くことと、患者さんにとって最適な治療法を選択することが入院の主な目的です。
また、当院通院中あるいは他院通院中の患者さんで糖尿病の治療をしているにも関わらず、コントロールが安定しない患者さんの治療法を見直してインスリンの導入など最適な治療を選択するということも表の中の入院目的に含まれています。
糖尿病教室や栄養指導は、糖尿病療養指導士の資格を有するスタッフ(看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、臨床検査技師)が担当しております。
糖尿病は罹病期間が長くなってくると、眼や腎臓の合併症や血管の動脈硬化に伴う病気を起こしてくることもあり、その際には院内の眼科や透析科、循環器内科、心臓血管外科など他科と連携して専門的な治療を行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 225 6.86 6.13 0.89% 0.00
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 218 4.67 5.83 0.00% 1.92
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり 188 1.47 2.13 0.00% 2.60
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 165 3.75 5.53 0.00% 4.50
030270xxxxxxxx 上気道炎 165 4.47 4.78 0.61% 2.30
2021年夏にRSウイルス感染症の大流行があり、また、急性胃腸炎・上気道炎などの感染症も前年度に比較して増加傾向である。これらの流行性疾患とともに流行の影響を受けない病的新生児および当科が力を入れている食物アレルギー負荷試験入院が上位を占めた。COVID-19流行は続くものの、インフルエンザを除く感染症が例年のパターンに戻りつつあるように思われる。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 53 10.66 10.47 0.00% 67.98
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 51 6.80 7.11 0.00% 58.75
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 40 14.13 15.76 0.00% 75.16
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 35 5.37 4.74 0.00% 69.48
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 34 4.97 5.40 0.00% 31.07
 当院は、地域がん診療連携拠点病院に指定されており、がん診療を重点的に行っております。外科は、呼吸器外科、消化器外科、乳腺外科に分かれて、それぞれの領域の癌の診療・手術を行っており、乳腺外科は別枠に記載しております。当院は呼吸器疾患が診療の柱の一つになっており、呼吸器外科専門医が担う肺がんの患者数がトップになっています。手術はそのほとんどが侵襲の少ない胸腔鏡補助下に行われております。新型コロナの影響で消化器癌の手術件数は減少しておりましたが、徐々に回復してきております。検診などの受診控えの影響か、進行したがんの手術が多くなっている印象もあり、検診や内科での内視鏡検査などは従来通り行うことが推奨されます。比較的件数の多い結腸癌手術はもとより、直腸癌、胃癌の手術も主に侵襲の少ない腹腔鏡下に施行しており、技術認定医を中心に診療に当たっています。本年よりロボット手術が導入され、消化器外科では直腸癌に対するより繊細なロボット手術が行われています。肝臓・胆道・膵臓などの癌に対しても、消化器内科や腫瘍内科と連携して最先端の治療を提供しています。
 良性疾患に対する手術も地域の拠点病院として積極的に行っており、気胸、急性胆嚢炎・胆石症、ヘルニア、急性虫垂炎やそのほかの急性腹症の患者様などを受け入れています。対象となる手術の多くは胸腔鏡・腹腔鏡で行われており、高齢者や小児にも負担の少ない安全な手術を心掛けています。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 48 9.79 10.15 0.00% 66.14
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 31 6.35 5.88 0.00% 63.75
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし - - 9.61 - -
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり - - 4.10 - -
090010xx99x31x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等23あり 定義副傷病あり - - 15.68 - -
乳癌の診断から再発後の治療まで一貫して行っています。診断に関してはトモシンセシスという乳腺を1㎜ずつ断層にして見ることのできる最新鋭のマンモグラフィーを導入しており、これによって、従来のマンモグラフィーでは見えなかった腫瘍を見つけられる可能性が増しています。また乳腺内の細かな石灰化で診断が難しい場合はマンモトーム検査で確実に診断を付けることが可能です。手術に関しては、乳房温存とセンチネルリンパ節生検手が多かったのですが、最近は乳房全摘してエキスパンダーを挿入する手術も増えてきています。いよいよ乳癌領域にも免疫療法が使われるようになります。先に使用された肺がんや、腎がんなどの経験をいかし治療をしていきます。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 121 28.57 25.32 61.16% 82.16
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 36 21.72 19.34 41.67% 82.26
070350xx97xxxx 椎間板変性、ヘルニア その他の手術あり 29 17.17 16.17 0.00% 61.42
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2なし 28 23.68 20.31 7.14% 73.34
160850xx01xxxx 足関節・足部の骨折・脱臼 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他等 24 23.92 18.36 8.33% 60.43
当院整形外科では、大腿骨近位部骨折で入院される患者さんが最も多くなっています。この骨折は受傷から手術までの期間を短くすることが重要であり、速やかに手術を行う体制をとっています。
変形性股関節症や変形性膝関節症などの患者さんに対して、人工関節置換術を行う例も増えてきています。当院ではナビゲーションシステムというコンピューターによる術前計画を活用してより正確な手術を行えるようになっています。
また、骨粗鬆症を背景とした脊椎椎体骨折の患者さんも多く入院されます。MRIで新鮮骨折の部位を評価し、コルセットによる骨折治療と同時に骨粗鬆症への治療介入も行います。痛みが続く場合にはバルーンを用いた椎体形成術など手術治療を追加することもあります。
脊椎手術では腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなど腰部の変性疾患に対する手術が多くなっています。また腰椎椎間板ヘルニアの一部の症例でヘルニコアと呼ばれる注射を用いた治療も行っています。
足関節骨折の患者さんも冬季を中心に多く入院されます。骨折や腫れの状態に応じて手術・リハビリを行っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 58 6.41 6.04 0.00% 42.93
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 54 6.76 6.11 0.00% 50.29
120260x099xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 手術なし 49 6.57 4.72 0.00% 32.26
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2なし 44 2.95 3.05 0.00% 40.09
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 39 9.82 9.46 0.00% 48.41
DPCコード 120060xx02xxxxは子宮筋腫などの子宮の良性腫瘍に対して腹腔鏡下に子宮全摘を行った患者数です。
DPCコード 120070xx02xxxxは卵巣の良性腫瘍に対して腹腔鏡下に手術を行った患者数です。
DPCコード 12002xxx02x0xxは子宮頸部上皮内癌などに対して子宮頸部円錐切除術を行った患者数です。
DPCコード 120060xx01xxxxは子宮筋腫などの子宮の良性腫瘍に対して開腹にて子宮全摘を行った患者数です。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 25 8.16 6.47 0.00% 53.69
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 23 6.26 5.71 0.00% 40.55
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1なし 21 9.24 8.19 0.00% 63.05
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 17 11.76 9.01 0.00% 60.57
030240xx97xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 その他の手術あり 16 10.56 8.62 0.00% 24.05
当院では甲状腺腫瘍、唾液腺腫瘍、咽喉頭腫瘍などの頭頚部腫瘍の診断治療を放射線科、腫瘍内科と連携し数多く行っております。副鼻腔炎の治療においてはナビゲーションシステムを用いた手術を行うことで、安全かつ的確な治療を行っております。耳下腺手術では全例で術中神経モニタリング装置であるNIMシステムを用いており、また、甲状腺手術においてもリスク症例でNIMシステムを用いることで、神経損傷リスクを軽減しより安全な手術が可能となっております。難聴や顔面神経麻痺、めまい、上気道急性炎症性疾患、お子様の鼓膜チューブ留置術、睡眠時無呼吸症候群に対するアデノイド切除や扁桃摘出術など一般耳鼻咽喉科診療も数多く行っております。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 346 2.45 2.71 0.00% 76.83
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり両眼 30 5.47 4.83 0.00% 76.45
020220xx01xxx0 緑内障 緑内障手術 濾過手術片眼 - - 9.47 - -
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし - - 6.14 - -
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり片眼 - - 2.61 - -
当院では、白内障手術を含め多くの手術を施行しています。手術日は月、火、水、金曜、硝子体注射などの処置は月、火、木曜に行っています。また全身麻酔にも対応可能です。白内障手術は片眼の場合は1泊2日、両眼の場合は4泊5日で行っています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 24 12.75 13.07 4.17% 65.03
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 22 6.55 9.22 0.00% 72.93
080190xxxxxxxx 脱毛症 - - 3.36 - -
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病なし - - 10.47 - -
080100xxxx0x0x 薬疹、中毒疹 手術・処置等1なし 定義副傷病なし - - 11.44 - -
当科入院患者の多くを感染症が占めます。蜂窩織炎や丹毒などの細菌感染症(膿皮症)が最も多く、主に抗生剤点滴を行い、重症化すると画像検査、外科的処置を要します。次に多い帯状疱疹は、1週間の抗ウイルス剤点滴を中心に、急性期の疼痛管理も行います。脱毛症は、重症かつ急速に進行する例に対して、3日間の副腎皮質ホルモン剤の点滴投与を行います。薬疹、中毒疹は薬剤あるいは感染症に伴う皮膚症状であり、中等症〜重症患者には副腎皮質ホルモン剤の投与を行います。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 56 3.52 2.50 0.00% 70.22
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 55 8.11 7.02 0.00% 76.81
110420xx02xxxx 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 38 6.45 6.49 7.89% 73.72
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 36 8.31 13.14 0.00% 62.56
110070xx97x00x 膀胱腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 24 7.63 7.35 0.00% 71.30
前立腺針生検の入院
前立腺腫瘍マーカーであるPSAが高値であったり、直腸診にて前立腺癌が疑われる所見があった場合に行う検査です。麻酔下で経直腸的に前立腺の組織を針生検で採取します。入院は2泊3日になります。
膀胱腫瘍の入院
初発もしくは再発の膀胱腫瘍に対し、経尿道的膀胱腫瘍切除術を行うための入院です。手術の説明(膀胱悪性腫瘍手術、経尿道的手術)をご参照ください。
水腎症の入院
水腎症に対する治療として、尿管ステント留置術もしくは腎瘻造設術を行う場合と、すでに尿管ステントが留置されている症例の尿管ステント交換術に関わる入院です。手術の説明(経尿道的尿管ステント留置術について)をご参照ください。
腎臓、尿路の感染症の入院
入院加療を必要とする泌尿器科的細菌感染症としては腎盂腎炎、前立腺炎、精巣上体炎といったものがあります。いずれも重症化して菌血症・敗血症となりうる疾患ですので、診断時に炎症所見(発熱の状態、採血データなど)が強いと判断された場合は、即入院、抗生剤点滴を軸とした集中治療をお勧めすることとなります。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 12 8.08 8.30 8.33% 82.44
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 12 18.75 15.63 25.00% 74.79
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 9.78 - -
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし発症前Rankin Scale 3、4又は5 - - 19.21 - -
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 18.90 - -
当科では、脳腫瘍の治療にも力を入れておりますが、患者数のトップはやはり脳卒中です。近年、血圧の管理が徹底され脳出血の発症数が減っていることもあり、入院治療の対象となる疾患は脳梗塞が最多です。脳梗塞に対しては、急性期の血栓溶解療法及び血栓回収療法を始め最新の治療を導入するとともに、リハビリ科の協力を得て発症早期にリハビリを開始できる体制を整えています。また、令和3年度は、脳挫傷、急性硬膜下血腫などの外傷による緊急入院も多い傾向がありました。緊急手術も含め、頭部外傷の救急患者にも対応しております。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050163xx9910xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 32 7.16 4.33 0.00% 75.39
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等21あり 13 28.31 19.66 7.69% 75.82
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等11,2あり 手術・処置等21あり 13 32.15 26.82 0.00% 71.20
050161xx9901xx 大動脈解離 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等21あり 12 31.00 21.21 0.00% 69.41
050163xx01x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術等 手術・処置等21あり 10 56.90 28.08 30.00% 77.49
当院は、地域の基幹病院であり急性疾患、救急病院でもあるため当院心臓血管外科においては破裂性、非破裂性大動脈瘤の他にも急性大動脈解離の患者さんを多く受け入れております。そのため、当院が扱う疾患群の上位に成人大動脈疾患が多く計上されています。また、急性心筋梗塞や不安定狭心症、弁膜症といった成人心臓血管についても定期、緊急手術での治療も扱っております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 82 - 20 36 - 27 1 8
大腸癌 35 42 37 72 63 65 1 8
乳癌 35 34 - - 14 10 1 8
肺癌 63 31 60 118 111 90 1 8
肝癌 - - - 13 - 32 1 8

※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

当院は地域がん診療連携拠点病院として各種がんの診断から手術・放射線・抗癌剤治療、緩和ケア、そして終末期医療までも対応しております。胃癌・大腸癌に対しては手術療法はもちろん、内視鏡治療や抗癌剤治療を行っており、全ての病期に対応しております。乳癌は外来診療が主体であり、本統計よりさらに多くの患者を診療しております。肺癌は手術・放射線治療はもちろん、極めて多くの抗癌剤治療を行っており、入退院を繰り返すこともあり、Ⅲ期・Ⅳ期の進行患者が多くなっております。大腸癌および肺癌で病期不明が多いのは、初回検査入院のために病期診断が退院後につく患者が多いためです。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 17 10.47 48.00
中等症 75 18.80 80.79
重症 15 23.13 80.80
超重症 - - -
不明 - - -
成人の市中肺炎の重症度、平均在院日数、平均年齢を示しています。
 市中肺炎とは、日常の社会生活を送っている中でかかった肺炎の事をいいます。重症度は「年齢」「脱水の有無」「酸素不足かどうか」「意識の状態」「血圧低下による危険度」を基準に沿って評価し、その結果を合計したものです。数値が高い方が重症であると判断します。
 当院では、肺炎の重症度としては中等症の方が多いですが、これは連携医療機関からの紹介患者を多く受け入れていることと、合併症を持つ患者の入院治療も積極的に行っていることが要因と思われます。また高齢者は重症になりやすく、リハビリテーションや退院後の生活支援の準備も行うために、入院期間も長くなる傾向があります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 37 27.24 77.70 32.50%
その他 - - - -
脳梗塞の治療は、発症からできるだけ早期に開始することが望ましく、発症4.5時間以内であれば血栓溶解療法が、6時間以内であれば血栓回収療法が行えます。当院では、脳梗塞の超急性期の治療が可能です。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 294 0.08 1.01 0.00% 66.02
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 96 1.48 11.96 0.00% 70.54
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 90 3.60 3.16 0.00% 68.00
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 73 1.08 3.82 0.00% 75.31
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 72 1.06 6.07 0.00% 75.31
当院消化器科では胃癌・大腸癌をはじめとする消化管の内視鏡治療に積極的に取り組んでおり、多くの患者を短期入院で安全に治療しております。また、救急医療に力を入れていることもあり、循環器科では冠動脈疾患の治療を多数行っております。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 66 1.58 4.70 0.00% 59.44
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 41 1.46 9.54 0.00% 68.34
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 38 2.84 10.92 0.00% 76.87
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 34 0.24 3.74 0.00% 30.71
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 31 1.29 2.68 0.00% 65.48
当院は地域がん診療連携拠点病院に指定されており、がん診療を重点的に行っております。外科では、肺癌や大腸癌(結腸癌・直腸癌)、胃癌などに対して、主として胸腔鏡・腹腔鏡下に侵襲の少ない手術が多く行われております。また、良性疾患であるヘルニア、胆石・胆のう炎、急性虫垂炎などに対する手術も、ほとんどが腹腔鏡で行われております。高齢者や小児にも負担が少なく、多くの症例で早期退院が可能になっています。救急外来を受診されたり他院から紹介された気胸や急性腹症などの患者様に対しても、地域の拠点病院として積極的に診療を行い、緊急手術にも対応しています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 33 1.45 3.91 0.00% 63.42
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 27 1.63 7.19 0.00% 68.00
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの) 18 1.61 7.28 0.00% 64.06
K4741 乳腺腫瘍摘出術(長径5センチメートル未満) - - - - -
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))) - - - - -
年間90件程度の乳癌手術を行っています。近年は形成外科医と連携して乳房再建を行っております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩・股・膝) 85 3.55 24.18 30.59% 75.53
K0461 骨折観血的手術(上腕・大腿) 75 2.92 25.31 57.33% 73.62
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方椎体固定) 44 3.49 21.77 6.82% 71.66
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(椎弓形成) 36 2.94 12.17 0.00% 62.81
K0462 骨折観血的手術(前腕・下腿) 35 4.31 22.38 2.86% 59.54
整形外科では、変形性股関節症や変形性膝関節症の患者さんに対する人工関節置換術を積極的に行っています。当院では人工関節手術に際してナビゲーションシステムというコンピューターによる術前計画・術中アシストを導入しており、より正確な手術を行うことができるようになっています。関節可動域や歩行の安定性を向上させるため、術後にリハビリを十分行ってから退院してもらっています。
大腿骨近位部骨折に対する骨接合術は速やかに手術を行えるよう取り組んでいます。転位のある大腿骨頚部骨折に対しては人工物置換が行われますが、術後の痛みを少なくするために人工股関節置換術を行うことも増えています。
脊椎手術では患者さんの状態に応じて椎弓形成術などの除圧術や脊椎固定術を行っています。予定入院の患者さんの多くは手術後2週間程度で退院されています。
手関節や足関節骨折の患者さんも多く治療しています。強固な固定と積極的なリハビリで、関節可動域の制限を残さない治療を心がけています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 56 1.54 4.84 0.00% 46.11
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 55 1.71 3.98 0.00% 49.16
K877 子宮全摘術 41 2.24 7.83 2.44% 50.44
K867 子宮頸部(腟部)切除術 35 0.97 0.97 0.00% 40.37
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 31 3.26 7.16 0.00% 32.77
K877-2は主に子宮筋腫等の診断で腹腔鏡下に子宮を摘出する手術です。
K8882は主に卵巣腫瘍の診断で腹腔鏡下に卵巣と卵管を摘出する手術です。
K877は主に子宮筋腫等の診断で開腹にて子宮を摘出する手術です。
K867は子宮頸部上皮内癌などに対して行う子宮頸部円錐切除術です。
K8982は主に既往帝王切開、骨盤位(逆子)などでの理由であらかじめ分娩方法を帝王切開とした帝王切開術です。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 26 1.00 7.81 0.00% 20.46
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 22 1.00 6.18 0.00% 55.77
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除)(頸部外側区域郭清を伴わないもの) 15 0.93 9.60 0.00% 61.53
K4611 甲状腺部分切除術,甲状腺腫摘出術(片葉のみの場合) 13 1.00 6.72 0.00% 61.86
K6261 リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) 11 1.27 3.55 0.00% 56.09
副鼻腔炎に対する鼻内内視鏡下鼻副鼻腔手術においては、ナビゲーションシステムを全症例に使用しております。これにより眼の近くや脳の近くでの手術操作が安全にできるようになり、副鼻腔手術で問題となる眼科内合併症や頭蓋内合併症の予防に非常に役立っております。
当院ではお子様から大人の方まで、幅広い年齢層の扁桃摘出術を行っており、病気としては、反復性扁桃炎、睡眠時無呼吸症候群、掌蹠膿疱症などの扁桃病巣感染症に対し行っております。
小児の睡眠時無呼吸症候群ではアデノイド切除を同時に行うことが多く、当院ではアデノイド切除の際は内視鏡とサクションコアギュレーターという特殊な機械を使用することで、安全で出血を軽減させる手術を行っています。
小児の滲出性中耳炎に対する鼓膜チューブ挿入術は前日に入院していただき、手術当日にお帰りいただける1泊入院にて行っています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 366 0.64 1.01 0.00% 76.23
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 10 1.00 6.00 0.00% 67.90
K2683 緑内障手術(濾過手術) - - - - -
K279 硝子体切除術 - - - - -
K2682 緑内障手術(流出路再建術) - - - - -
現在、白内障手術は片眼1泊2日、両眼4泊5日、緑内障手術は1~2週間程度の入院で手術を行っています。翼状片手術、眼瞼手術は通院あるは短期入院で行います。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 55 2.13 5.16 9.09% 74.55
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 55 1.73 5.04 0.00% 76.67
K800-2 経尿道的電気凝固術 28 1.50 4.96 3.57% 71.54
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 16 1.50 8.50 0.00% 70.75
K836 停留精巣固定術 - - - - -
経尿道的尿管ステント留置術について
腎臓で作られた尿は尿管という細い管を通って膀胱へ流れていきます。成人の尿管は約25cm前後の長さがあります。この尿管の途中で通過障害が生じ、尿の流れが堰き止められて腎臓寄りに尿が停滞する状態を水腎症と言います。通過障害の原因疾患としては、尿管結石、尿管腫瘍、尿管狭窄、周囲(腫瘍性病変、炎症など)からの尿管の圧迫など多岐に渡ります。尿の通過障害を改善して水腎症を治療する目的として、尿管の通過障害部を橋渡しするように専用の管を尿管内に置いてくる手術が経尿道的尿管ステント留置術です。当院では手術室で麻酔下に行なっております。この手術は、一時避難的な姑息的治療として行う場合と、根本的治療として行う(すなわち生涯尿管ステントを抱えることになる)場合とがありますが、それは尿管の通過障害を引き起こしている疾患の内容・治療経過によります。尿管ステントを長期必要とする場合は約3ヶ月毎にステントの交換が必要となります。交換術は3日間の入院で麻酔下に行なう場合と外来日帰りで行う場合があります。

膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)について
電解質溶液利用のものとその他のものとがありますが、基本的に同じ手術です。
膀胱腫瘍(主に膀胱癌)に対する手術であり、尿道を通して切除用の電気メスを膀胱内へ挿入し、内視鏡下に膀胱腫瘍を削り取ってきます。手術の性質上腫瘍を一塊として切除するのではなく、断片化しながら全てを削り取ることを目標に行います。腫瘍の状態にもよりますが、可能な限り根こそぎ削り取る為に、膀胱壁の一部も削り取ることになります。手術後は膀胱の傷の安静の為に、尿道からカテーテルを留置し、尿が自然に集尿袋に流れるようにします。このカテーテルの留置期間は手術による傷の大きさ、深さによってその都度決めさせてもらいますが、平均では3日間です。カテーテル抜去後問題なく排尿できることが確認できましたら退院となります。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)(2吻合以上のもの) 13 7.77 24.54 0.00% 71.92
K5607 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)(腹部大動脈(その他のもの)) 12 6.58 20.00 8.33% 73.17
K5551 弁置換術(1弁のもの) - - - - -
K560-22ニ オープンステントグラフト内挿術(上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術)(その他のもの) - - - - -
K5606 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)(腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)) - - - - -
1)大動脈の病気の手術
 心臓のみならず大動脈の病気に対する手術も多い当科では、患者さんの負担を考慮し、標準治療である胸やお腹を大きく切る手術(人工血管置換術)の他に、小さな傷と体の負担(短い入院期間)で行える血管内治療(ステントグラフト内挿術)にも積極的にとりくんでいます。どのような大動脈瘤でも血管内治療が可能という訳ではなく、また負担が小さい分、根治しにくいという欠点もあるため、患者さんの状態に合わせて最適な治療を提供させていただきます。人工血管置換術では、頻度の多い弓部大動脈や腹部大動脈の手術のみならず、難易度の高い大動脈基部(大動脈弁温存)手術や胸部から腹部までの広範囲の動脈瘤(胸腹部大動脈瘤)も行っています。
2)心臓の病気の手術 
 心臓の手術では、弁膜症の手術や狭心症の手術を行います。弁膜症に関しては可能な限り自分の弁を切り取らずに修復する方針としており、また狭心症に対する冠動脈バイパス術については基本的に人工心肺装置を用いず心臓を動かしたまま行うオフポンプ手術を行っています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる 11 0.11%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 17 0.17%
異なる - -
当院では重症肺炎を中心とする感染症の難治例の紹介が多く、敗血症を呈する患者がみられます。しかし、播種性血管内凝固症候群、敗血症ともに全国平均と比べるとはるかに少ない症例数です。
更新履歴
2022/9/29
新規作成