呼吸器内科
1.研修目標
- 正しい診断・治療のための考え方と検査の組み立て方を身につける。
- 呼吸器疾患の診療についての大まかに理解する。
- 将来内科医を目指す場合、内科専門医取得に向け高度な知識と技術を身につける。
2.研修指導医
- 斎藤 拓志
- 福家 聡
- 品川 尚文
- 小島 哲弥
- 伊藤 健一郎
- 荻 喬博
- 佐藤 寿高
(および伊藤健一郎・荻喬博・佐藤寿高のいずれかによるマンツーマン指導)
3.研修内容
(1)指導医の患者を指導医とともに診療する。
指導医が受け持つ入院患者について、その診断根拠、治療方針決定プロセス、治療法の実際、治療効果判定などを理解する。
一部の患者については主たる担当医として診断・方針決定・治療・判定・目標再設定等を指導医の監督の下で自ら行う。なお、少なくとも一度は指導医の外来業務を見学することが望ましい。
到達目標
- 「診断根拠、治療方針決定、治療法の実際、治療効果判定」というどの診療科でも必要とされる診療理念を理解し習得する。
- 患者背景を把握できる。
- ガイドラインやEBMの内容や限界を理解して診療プランを立てられる。
- 治療のゴールを設定、修正できる。
- インフォームドコンセントのあり方を理解し指導医の監督の下で実行できる。
- すべての医療における主治医の役割を理解する。
(2)基本的手技の修得
担当した患者の診療手技(目的・手順・禁忌)を理解し、可能ならひとりで実施できるようになることを目標とする。そのためには、まず具体的手技と禁忌手技が理解されていること、指導医の手技を見学してその個々の手技のステップの意義を理解していること、わからないことを曖昧にせずに指導医にきちんと質問できること、が必要である。またトラブル発生時の対処も理解出来ている必要がある。
在籍期間や個人の資質による達成度のばらつきは予想されるが、また研修医自身の将来設計にもよるが、下記が習得できることを理想とする。下記の他、骨髄穿刺や腰椎穿刺などの処置が行われる場合もある。
到達目標
- 動脈血ガス分析
- 呼吸器内視鏡(実施指示・前処置・検査介助・内視鏡操作)
- 胸腔穿刺
- 胸腔ドレナージ
- 中心静脈カテーテル挿入
- 中心静脈ポート造設と管理
(3)呼吸器疾患の体系的理解
呼吸器疾患に属するさまざまな疾患群ごとに、診断基準、治療適応、治療法などを、ガイドラインを中心に理解し、経験する。
到達目標
下記について理解することが望ましい。
- 呼吸器感染症(肺炎・胸膜炎・敗血症など)
- 気管支喘息
- 肺気腫・COPD・慢性気管支炎
- 間質性肺疾患(間質性肺炎・過敏性肺炎・肉芽腫性疾患など)
- 悪性腫瘍(進展範囲、組織型やドライバー遺伝子による治療法の違いなども)
- 呼吸不全(1型と2型)
- 睡眠時無呼吸症候群(希望する研修医のみ)
(4)各種治療法(非薬物療法を含む)の意義の理解と実行
各種治療方法の意義と限界を把握して選択するだけでなく、関連する他科他職と連携が出来るようになる。
到達目標
- 呼吸器リハビリテーションの多様性と効果を理解し、リハビリスタッフとの合同カンファレンスでもプレゼンする。
- 放射線治療について放射線科と連携し、合同カンファレンスでもプレゼンする。
- 手術療法について外科と連携し、合同カンファレンスでもプレゼンする。
- 内服・注射・吸入といった薬物療法の意義と各薬剤の使い分けを理解する。薬剤師との連携ができる。
- 患者の生活上の問題点の把握と長期的視野に立っての治療ゴール設定とを、看護師や専門の医療ソーシャルワーカー等とともに立案できる。
(5)新患外来(初診患者外来)に参加
新患外来を担当している後期研修医について、その診療スキルを学ぶ。
(6)内科症例検討会
自ら主担当医になった患者について内科医局会でプレゼンテーションし、個々の診療内容のみならず症例プレゼンテーション方法についても先輩の指導を仰ぐ。ただし内科全体で週に研修医一人だけに制限されている。他の研修医は発表した研修医の診療を追体験して自らの経験の糧とする。
(7)各種地方会への参加
義務ではないが、呼吸器疾患理解というよりは、将来自分も発表する立場に必ずなるので、参加しておいた方が良い。
タイミングによっては自ら演者になって指導医の指導を受けることができる可能性がある(希望者は申し出ておいた方が良い)
4.研修スケジュール
曜日毎に指導医の業務が異なるため、指導医とその都度スケジュールの確認をすることが望ましい。
週間予定
月曜日 | 第4週 | 17:30~18:30 | 呼吸器病理カンファレンス |
火曜日 | 毎週 | 16:00~18:15 | 呼吸器科合同カンファレンス |
木曜日 | 毎週 | 17:00~18:15 | 呼吸器科カンファレンス |
火水木 10時頃〜12時頃 気管支鏡(透視室)
他の検査は不定期。
その他、初期研修医に参加が求められている病院業務(CPCなど)
研修期間中の予定
- 指導医との週間振り返り(毎週あるいは隔週)