ハイブリッド手術室が完成しました!
KKR札幌医療センター心臓血管外科では患者様に最高水準の医療を提供するため、最新技術と設備を活用しています。その一環として2024年3月に新たにハイブリッド手術室を完成させました。ハイブリッド手術室では人工血管置換術に代表されるような一般的な外科手術と透視装置を用いたカテーテル治療を組み合わせた手術環境を同じ手術室で提供することができます。
新規に増設されたハイブリッド手術室:GE社 Allia IGS740
心臓血管外科でハイブリッド手術室が有効に活用できる手術としては透視装置を主に用いる胸部および腹部ステントグラフト治療や下肢の動脈疾患に対するステント治療があります。今回のハイブリッド手術室ではGE社のAllia IGS740という最新の機器を採用しました。この機器の特徴は天井にレールや構造物がなく、HEPAフィルターを天井に置く必要がないため、手術室の清潔度を高めています。また、透視装置を使わない一般的な手術時には、装置を手術室の端に配置することで手術室の空間を広く使用することができ、人工心肺を用いるような大掛かりな手術も行うことができ、必要に応じ透視装置を利用することができます。 |
ステントグラフト手術 |
ハイブリッド手術室での人工心肺を用いた手術 |
さらに、Allia IGS740にはEVAR ASSISTという専用の3D解析機能と3Dロードマップ作成支援ツールが搭載されています。このツールを用いることによりステントグラフト治療の際などに重要な血管の位置を造影剤の使用なしに確認できたり、細かい血管を閉塞させる必要があるような複雑な手技に置いて、造影剤量や被ばくを軽減しながら安全かつ正確に手技を進めることができるようになりました。 |
今回のハイブリッド手術室の導入によりこれまで以上に正確で効率的な治療が可能となりました。複雑な手術を一か所で同時に行うことができるため、患者様の負担を軽減し迅速な治療が実現できています。今後もKKR札幌医療センター心臓血管外科は、このハイブリッド手術室を最大限活用し地域の患者様に最先端の医療を提供していきたいと思います。
心臓血管外科部長 佐藤 公治