専門看護師
2019年入職 専門看護師
より広い視野で、地域の患者さんとご家族のQOLが向上することを目指して頑張りたいと考えています。
  • Q1.当院を選んだ理由・動機は

    帯広の病院で働いていた時に、日本看護協会主催の「がん専門分野における質の高い看護師育成研修」に参加し、偶然KKR札幌医療センターで1週間実習する機会を頂きました。その際、KKR札幌医療センターでがん看護専門看護師と出会い、広く、深く、先を読む看護のすごさを目の当たりにしてがん看護専門看護師を目指すに至りました。天使大学大学院に進学し、再度KKR札幌医療センターに実習に来る機会があり、働くスタッフを大事にする職場風土とアットホームな雰囲気を感じ、この病院でがん看護専門看護師としての役割発揮を学びたいという思いが強くなり就職を決めました。

  • Q2.認定看護師、専門看護師はどのような資格ですか、なるにはどうすればいいですか

    認定看護師には、実践、指導、相談の3つの役割があり、専門看護師には、実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割があります。がん看護専門看護師は、これらの役割を発揮し、がん患者が抱える“トータルペイン”と言われる様々なつらさを緩和し、QOLを高めるケアを提供します。
    認定看護師・専門看護師になる為には、5年以上の実務研修期間(うち3年以上は専門分野での実務)が必要です。さらに、認定看護師になる為には6か月の教育を受け認定審査に合格する必要があります。専門看護師は、看護系大学大学院にて2年以上の教育を受け26単位または38単位を取得し、認定審査に合格することが必要です。

  • Q3.印象に残っているエピソードを教えてください

    身寄りがおらず、緩和ケア病棟で最期を迎えることになった高齢男性の患者さんがいました。私たちスタッフは、彼に自宅に居るような安らぎを提供するためにどうしたらよいかを話し合い、大家さんに頼んで自宅から愛用のCD、コーヒーを挽くミル、書物を持ってきてもらい、これらの事が最期までできるよう支援しました。私が病室で一緒にコーヒーを飲みながら、「ご自分の人生を振り返ってみると、どうでしたか?」と聴くと、彼は「波乱万丈な人生だった」と、自身の人生について語り始めました。そして私に「大切なのはここ(胸に手を当てる)だよ」という言葉をくれました。ある日、彼は「そこのキッチンから物を取って」と話してから、はっとした表情をして「家かと思って間違えた」と笑いました。彼は亡くなる前日まで自分で淹れたコーヒーを飲み、微笑むような表情で亡くなりました。好きな音楽と本、ミルで挽いたコーヒーの香り、スタッフとの他愛ない会話…これらのケアは看護師だけはなく、医師・PSW・薬剤師・看護助手など多くの医療者が協働し、チームとして提供されました。スタッフ皆で話し合って最善のケアを提供したことが、結果として患者さんにとってhomeにいるような居心地の良さを創り出し、QOLを高めることにつながったこのエピソードは、大切な思い出です。

  • Q4.自分の目標・目指すものは

    私は現在緩和ケア病棟に配属していますが、最近は緩和ケア(がん治療支持)チームや緩和外来にも入っています。終末期だけではなく、診断期・治療期・維持期の患者さんと関わることで、継続した看護の大切さを改めて実感しています。そして、緩和ケア病棟に来られた患者さんが、先が見えない暗闇の中で生きる道を模索しながら頑張ってきたことを、より深く理解することができるようになりました。今後もより広い視野で、深く患者さんを理解し、先を読む看護を提供できるよう自己研鑽を続け、病院―在宅で継続した看護が提供され、地域の患者さんとご家族のQOLが向上することを目指して頑張りたいと思っています。